kongitsune’s diary

県道走行、名所旧跡訪問などの記録

蒙古の碑(燕沢碑)

善応寺

2022年11月上旬、仙台市宮城野区燕沢に所在する臨済宗のお寺「善応寺」を訪れました。ここには蒙古の碑と呼ばれる板碑があります。

鎌倉時代に蒙古襲来(元寇)という2度の日本侵攻という出来事がありましたが、元軍の戦没者を弔うために建てたものと言われています。また、判読し難い文字で刻まれているのが特徴です。

訪問時、ちょうど植木屋さんが境内の木々の手入れや掃除をしていました。落ち葉などもなくすっきりとした状態で見学できました。

1852年(嘉永5年)、東北地方を遊学中の吉田松陰もこの石碑を見学していました。東北遊日記の該当箇所は以下の通りです。旧字体の漢字が含まれていたので、一部常用漢字に置き換えてみました。

過燕沢。観弘安五年里末清俊所建碑文。
怪奇不可読。相傳。鎌倉円覚寺開山祖元。
為蒙古戦亡者建之。時有忌諱。故省字所而隠之。

兵学師範でもあった松陰はどのような事を思ったのでしょうか。

槙島観音堂

この板碑は元々善応寺で建碑されたのではなく、1941年(昭和16年)に同じ燕沢地区にある槙島観音堂から移設されたという経緯があります。

 

槙島観音堂は県道8号(通称 利府街道)沿いに建っており、宮城郡三十三観音の一つです。お堂の傍らに「蒙古之碑跡」の石碑がありました。かつてこの場所に設置されていたという歴史を伝えるのも重要なことだと思いました。